2013年02月03日

Battle of the Bulge (iPad)

iOSにはなかなか本格的なウォーゲームがありませんでしたが、ようやくまとものなものが現われました。
昨年暮れころにリリースされたShenandoah StudioのBattle of the Bulge、定番のバルジものです。これはiPad専用アプリですが、iPad miniでやるといつでも電車でもバルジが楽しめます。
下記はiTunes Linkです。
https://itunes.apple.com/jp/app/battle-of-the-bulge/id521833787?mt=8

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Battle of the BulgeはSPIやVGで有名なJohn Butterfieldがデザインしたもので、システム的にはBreakout Normandyのエリア移動方式を採用しているようです(Breakout Normandyは未見のためはっきりと比較できず)。きちんとしたウォーゲームデザイナーがiPadのゲームを作成したというのはなかなか画期的なことだと思います。下記はShenandoah StudioのJohn Butterfieldのデザイナーズノートです。
http://www.shenandoah-studio.com/authors_taxonomy/john-butterfield/

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一日ターンのマルチインパルスで、交互に一エリアずつ移動戦闘して、両方パスしたら終わりというのは予備移動をうまく再現することもありますが、ややテクニカルな側面はあります。ちょっと将棋的な読みが必要な局面もあり、なかなか考えさせられる時もあります。一手が大きいですからね。変形マルチインパルスのため、一日ターンですべてのユニットが動かせないことがあるのはかえってリアルかもしれません。コマンドコントロールやバルジでの渋滞を再現できます。特にはじめのターンでは優先度の吟味が必要です。
John Butterfield自体がAmbushとかVoyage of Pandoraなどややトリッキーなシステムのゲームを作ってた人なのでこうしたシステムは得意なところかもしれません。

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ユニットは師団単位で、116Pzとか1SSなどは攻撃でエリート特典があります。米軍では空挺やBigRed1がエリート扱いで防御にプラスできます。またスコルツェニーなどのコマンドルールが加味され、初期のターンのどこかで一ユニットを行動不能にできます。また一応150Pzがユニットで出てくるところなんかはマニアックと言えます。
砲撃支援や航空支援はかなり抽象化されて自動的に計算されます。また補給切れも重要な側面として判定され、ターン(一日)のはじまりに補給線が引けないと移動できなくなり、次の日も引けないと戦闘(防御も含めて)ができなくなります。ドイツにはさらに後半になると補給切れユニットが出てきます。下記は補給判定画面です。

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ドイツ側としては19日中にミューズをわたって向こう側に完全支配のエリアがあって、それが補給がつながればVPによらず自動勝利なのでまずこれが目標です。基本的には1SSを突っ込ませてミューズを渡らせ、その両側を116PzやLehrで攻撃してエリアをコンテストにして米軍をロックしてしまうというのが基本線だと思います。ミューズを渡河させても補給路を空エリアで残すと次のインパルスで入ってこられるので、そこは補給路に部隊を置いていくか、両側エリアを攻撃して釘づけにしておきます。両軍が混在するコンテストエリアだと敵の完全支配エリアには直接移動できないのでこれを利用します。150pzでミューズを渡らせて強力な1SSで側面を攻撃するというゲーム的なちょっとずるい手も使えます。この線に沿えばバストーニュはあまり重要ではなくなります。取っても取らなくても良いですが米軍を誘引しておくには役に立ちます。
テクニカルなので、ドイツをやっていてもう手づまりでだめか、と思っても相手の手の一瞬のすきをついて電撃的に勝ってしまうこともできますし、ずるずると25日くらいまでドイツ軍で長引かせてにらみ合いを続けても、せこくVPを稼ぐことでドイツが勝つこともできます。ゲーム的な意味でも完成度は高いですね。おそらくプレイテストが何回もできるというのが完成度が高くなるゆえんかとも思います。

こちらはドイツ軍での勝利のパターンの例で、下段はレビュー機能でのプレイバックです。

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連合軍としてはドイツが突っ込んできたら、先行部隊は行かせてその後方から両側包囲して補給線を経って動けなくしてしまうというのが基本線だと思います。ただし場合にょってはうじうじと攻撃してくるので、この場合は普通に戦線構築していくパターンですね。バストーニュが重要なのはむしろ米軍なので守った方が良いですが、ドイツ軍を突破させない方がより重要です。

こちらは連合軍での勝利のパターンの例です。

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ただけっこうサイの目で左右されるところも大きいので、わりと流動的な展開になるのもゲームとしては面白いところです。一方でドイツ軍はヒストリカルより前進させやすいので、その点もバルジゲームとしては面白い点だと思います。AIもルントシュテットとディートリッヒ、パットンとモンティが選べてそれぞれキャラクターが少し違う点も面白いところです。これも適度に変えながらやるとリプレイアビリティが高く、ワンパターンを避けて飽きずに続けられます。いろいろな勝ち方ができるのも良いところで、多少形勢が悪くなっても最後まで続けてやり通せます。
そのほかもうるさくいうとマントイフェルの5PzとSS中心の6Pzが混ざりやすいのはやや現実離れはしていますが、全体的にゲーム性とヒストリカルウォーゲームの良さがうまくブレンドされていると思います。これだとユーロゲーマーも手を出しやすいという気もしますね。これはiPadのようなマスプロダクション向けのウォーゲームのまた新しい形かもしれません。

iOSアプリとしてはRetina ディスプレイに特化しているのは良いんですが、反面でiPad miniだとやや文字が読みにくいところはあります。ただしズームなしでも全域がみられるのは良いところです。
マップをスクロールするのは苦痛なのでやはり一画面でマップはすべて表示してほしいです。

プレイアブルでサドンデス形式なのでキャンペーンでも早いと10分もあると勝負がつくのが良いところです。長引くと時間もかかりますが、通勤中に何回もバルジができます。ゲームとしての完成度が高いですね。
このシリーズは次にエルアラメインが予定されているようです。ただシステムを考えると北アフリカならクルセーダーの方が面白いと思いますが、「エルアラメイン」というよく知られたタイトルがこうしたiPadゲームでは重要なのでしょうね。
posted by Y.Sasaki at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | Battle of the Bulge | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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