2007年01月27日

War over Vietnam とコンピューターウォーゲームの真価

War over Vietnamのベトナム戦争初期のシナリオをいくつかプレイしてみました。
そこから思ったのですが、War over Vietnamはゲームというよりも実際に動かす戦史の追体験という要素も強く感じます。
しかしここにシミュレーション・ウォーゲームをコンピューターで行うという真価が見えるように思います。

たとえばB52が多数出てくるオペレーションアークライトや最初期の空爆であるフレイミングダートなんかはほとんどベトナム側のやることはなく、ベトナム側にたってみるとゲーム性というのはほとんどありません。ただ爆弾を落とされるだけでAAAを機械的に動作させるくらいです。

arclight.jpg
アークライト作戦(B52による補給路の爆撃)

framingdart.jpg
フレーミングダート作戦(米艦艇に対する攻撃の報復作戦)

ただし米軍側では各機体の役割や実際の進入ルートなどかなり実戦の様子がよくわかります。
ボードゲームだとこれではベトナム側プレーヤーが退屈してしまいゲームになりませんが、コンピューターのAIはもくもくとつまらないベトナム側をやってくれます。

両方とも有名な作戦ですが、実際にどう作戦が遂行されたかというのはよくわからないのでこのシナリオをやるとゲームというより戦史の本を読んでいるのに近い感覚です。
こうしてB52は援護されて、U2も飛んで偵察して、とオペレーションアークライトの詳細を、自分で動かしながらふむふむと理解できます。

ベトナム側をコンピューターにやらせるもうひとつの利点としてオペレーション・ボロがあげられます。

bolo.jpg
オペレーション・ボロ(ベトナム側から見た画面)

オペレーション・ボロはF4CがF105のふりをしてMigをおびき寄せた制空戦闘で、かなり有名な作戦ですからベトナム航空戦ゲームをやろうとするプレーヤーはたいてい知識として知っていることでしょう。つまり人間がベトナム側をやるとはじめからレーダーに映る攻撃機のように見えるのは実は戦闘機だということを知っています。それを前提にMigを誘導するでしょう。これでは正確な戦史の再現とはなりえません。
しかし、コンピューターはこの事実をしりません。おそらくレーダーに映る機影は低速で攻撃機のように飛んでいるから、攻撃機であると判断することでしょう。それは正確な戦史の再現になります。

プレーヤーがベトナム側をやるとこのシナリオではなにもしなければ必ず勝ちます。ベトナム側はこのシナリオに攻撃機がいないことを知っているので、なにもしなければいいのです。ですので勝ち負けははじめから意味はありません。
ここにシミュレーション・ウォーゲームをコンピューターで行うということの可能性を感じます。

わたしは以前シミュレーター誌に「珪石器時代をむかえたウォーゲーム」というコンピューターウォーゲームの連載記事を書いていたんですが、その中で書いたミッドウエイでの南雲長官と同じです。
この辺が基本的にゲームとシミュレーションを分けるところだと思いますし、コンピューターを使う真の利点の一つだと思います。


これはWar over Vietnamがもともとは米空軍の訓練シミュレーターをベースにしているということも影響しているかもしれません。
次からこの辺についてもう少し考えて見たいと思います。
posted by Y.Sasaki at 22:25| Comment(0) | TrackBack(0) | HPS : War Over Vietnam | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月23日

Vietnamの空の戦い

War Over VietnamとDOWNTOWNで見たいものは、それぞれベトナム航空戦がどう再現されているかということです。

ベトナムの空の戦いは随分昔にも思えますが、現代航空戦としては完成されたショーケースのようなものでもあります。
ベトナム航空戦はF100やF101さらにはF104といういわゆる当時既にロートルのセンチュリーシリーズからはじまり、最後期のサイゴン撤退(DOWNTOWNでは拡張シナリオあり)には上空援護にF14まで投入されました。戦略偵察に投入されたSR-71のマッハ3を破る飛行機はいまだあらわれていませんし、戦略爆撃の主役だったB52はいまだ現役です。
ベトナムの戦いは色あせた昔話ではありません。

ベトナム航空戦の興味は米軍のストライクパッケージ(海軍呼称はアルファストライク)と北ベトナム空軍の防空システムというシステムのぶつかりあい、というところにあると言えます。
ストライクパッケージは攻撃の核になる攻撃機とそれを援護する戦闘機とCAPの戦闘機が中核となり、まずECMジャマーやチャフ散布の機体が先導します。また対SAM/AAA任務を持った今で言うSEAD(Suppresion of Enemy Air Defense)のワイルドウィーゼル(海軍呼称はアイアンハンド)が露払いをします。それに少しはなれたところをCAPの戦闘機が警戒します。
遠く離れたところには早期警戒機や空中給油機が飛び、さらには主力から少し遅れて戦果確認の偵察機が続き、RESCAPを行うヘリやA-1が待機します。

対する北ベトナム空軍の防空システムは大きく3つの要素があります、MiG、SAM、AAAです。これらはおおまかには担当高度で低空をカバーするAAA、やや低空が苦手のSAM、そして高空を飛ぶMiGと別れています。
しかし実際のところ主役はあくまで地味なAAAであって、統計的にAAAの戦果が一番多いといえます。MiGやSAMは派手に見えますが、実際の戦果はそれほどでもありません。
それゆえ直接的に敵を撃墜するというよりはAAAの死の罠に追い込む猟犬、または爆弾を投棄させてミッションを失敗させるという番犬とも言えます。
MiGの攻撃は主に奇襲によって、行われます。ベトナム側は優れた航空管制によって空でもゲリラ戦を展開していたわけです。

米軍から見るとSAMは恐るべき存在ですが、ベトナム軍から見ると万能ではありえません。発射数に制限が有りさらにレーダーを照射して追尾している時は米軍のワイルドウイーゼルから対レーダーミサイルを撃たれる可能姓があるため、つけっ放しは自らを死に追いやります。
ふつうSA-2サイトには6発のミサイルがあり、本来はサイトにはもう6発の予備がありますが再装填に30分以上かかるというのでWar Over VietnamやDOWNTOWNなどのスケールからするとルールとしては抽象化されていいでしょう。

ただしこうしたシステム同士の戦闘というのはベトナム戦争でもラインバッカー作戦あたりのもので、ローリングサンダー作戦のあたりはまた様相が違います。
それはWar over Vietnamではシナリオを追って明らかになります。


一方やや細かいスケールで見た場合、
第二次大戦がおわり戦闘機はミサイリアーという構想によりただのミサイル搭載機という位置付けがされたのにもかかわらず、やはり最後の戦いは機関銃で行われることもありました。それゆえ機関銃のないF-4にはバルカンが搭載されるようになりF-4Eが生まれ、トップガン構想が生まれました。
またレシプロの延長だった朝鮮戦争と違い、ベトナムでは空中戦においてもエネルギー・マニューバーというジェット時代の真の展開がありました。たとえばズーム上昇やエネルギー損失はDOWNTOWNでもルール化されています。
リッチー大尉とトム大佐のようなエース同志の空中戦までありました。
ベトナムの空の戦いの主役はミサイルだけではありません。やはり戦う人間が主役であったといえます。
posted by Y.Sasaki at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | HPS : War Over Vietnam | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月21日

War Over Vietnam 日本語エイド

完全ではありませんが、War Over Vietnamの日本語のクイックガイドを作ってみました。随時書き足します。

*基本コンセプト

基本はユニットを選択(左クリック)して、右クリックでマップまたは目標ユニットをクリックしてオーダーします。
この目標がマップならそこへ飛び、敵ならインターセプト、目標なら爆撃、給油機ならランデブーして給油します。

シンプルですが、コマンドにはimediate orderとcombined orderがあります。いつ適用されるかがちがいますので注意が必要です。
imediate orderはユニットを左クリックでセレクトしたあとに、マップ又は他のユニットを右クリック(またはaltやctrlつき)するもの、combined orderはユニットのセレクト後にsft+右クリックで出したポップアプメニューでするもの。このメニューはimediateのショートカットでは出ません。

左クリック(ユニット選択)
右クリック(目標選択)
シフト・右クリック(コマンドメニュー)
Alt・右クリック(パトロールエリア設定)
コントロールキーの押下(攻撃モード)->右クリックで攻撃

ダブルクリック(SAMサイトのアクティブ/インアクティブ)
ダブルクリック(基地の発進ダイアログ)

リアルタイムで進行してスペースバーでPause

*ユニット(アイコン)の表示について

燃料・兵装残量表示にはなしとノーマルとサーモメーターがある

青円(視界)
黄色円(探知範囲)
赤円(兵装射程)
白線(ルート)
茶円(低空飛行のみ、視認される範囲)
濃い緑(ルックダウンレーダー範囲)

赤円(SAMの射程)
灰色円(AAA)

紫エリア(ECMカバーの範囲全体)
緑エリア(ECMで敵のレーダーに穴を開けて安全なエリア、緑の箱の中なら探知されない)

赤三角(探知した敵機)
黄色三角(レンジ内の敵機)

ななめ白ストライプの円(Migベース)

*左側の機体のシルエットのかかれたエリアはフライトリストと呼ばれます

フライトリストの機体の絵のところで右ホールド(詳細情報)
フライトリストにおいて赤文字の速度は最大速度、黄色=ミリタリー、白=クルーズ
燃料が2/3残りの場合は黄色のレンジ、1/3なら赤
!機数 はAuto Fireモード(射程に入るとユニットが勝手に撃つ)
^速度 Auto Interceptモード(敵機をインターセプトする)
[レンジ] Autoリターンモード(投弾したら帰投する)
Winchester 弾切れ
Bingo 帰投必要
TFRがついているとナップオンアースができる
posted by Y.Sasaki at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | HPS : War Over Vietnam | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月29日

WOVのチャフ散布のバグ

はじめにプレイして気になった点は手順どおりにやってもチャフの散布がなぜかできないことでしたが、これはHPSに問い合わせたらパッチをくれました。
どうやらビットマップファイルに問題があって特定のズームレベルでチャフが見えないのだそうです。そこでBMPファイルを送付してくれました。来年パッチとして出す予定だそうです。
これで問題なくチャフが見えるようになりました。

またちょろっと聞いてみたところ、この現代空戦シリーズは新作が2007年にも出るかも、、ということでした。
ルールブックを見るとなぜかJSTARとかのルールが乗っているのでおそらく湾岸あたりではないかと..
posted by Y.Sasaki at 00:18| Comment(0) | TrackBack(0) | HPS : War Over Vietnam | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月26日

War Over Vietnamファーストインプレ

HPS:War over Vietnamはかなりプレイアブルでベトナム航空戦の要素をよく捉えています。

特に米空軍のストライクパッケージの各機の役割が密接で、そのシステムが整然と動くさまがよくわかります。
コンピューターゆえに細かい要素もあまさず捉えられます。特にリアルなのはECMの範囲(緑の枠)がジャマー機(EB66)の移動に合わせて刻々と移動するところです。

爆撃が終わったあとにRF4Cで偵察するのはDOWNTOWNと同じだがリアルです。
DOWNTOWNと違ってもう少しマクロな広がりがあるので空中給油機がサポートで遊よくしていたりするのが雰囲気があります。空中給油もそれなりに時間がかかるというのがやってみるとよく分かります。

SAMはあまり当たらないがインパクトの瞬間は心臓に悪いです(爆)
帰路も意外なところにSAMがあるので気を抜けません。
ベトナム側もさくっとやってみましたが、やはりSAMのレーダーオンオフのタイミングと、MiGの運用は考えさせられます。スパローは意外とよく当たるので、正面から米軍に戦いをいどむのは得策ではありません。

DOWNTOWNでは「撃墜ではなく任務放棄させるのが目標」というテーマでデザインされていますが、これもWar over Vietnamにも一部盛り込まれています。MigパニックとかSAMパニックルールはオプションダイアログで設定されます。
ただプレーヤーが見えないとテーマが伝わりにくいというのはあるかもしれません。

またコンピューターゲームらしく戦闘交信が盛り上げてくれます。ただあまり状況と会話が連動なくて雰囲気だけのBGMみたいなものですね、あとベトナム側を担当しても同じ音声です(笑)

他にはB52の大編隊が飛ぶアークライト作戦とか、F111のNOE(地面追随飛行)を試すコンバットランサーとか興味深いシナリオもあります。
後の方のシナリオはユニット数も増えるのでプレイアブルさが生きてくると思います。
またSR-71も登場します。ちょっと試しましたが、SR-71のスピード恐るべし。。リアルタイムゲームだとよくわかります。他のユニットが止まってるみたいですね。
posted by Y.Sasaki at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | HPS : War Over Vietnam | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月22日

War over Vietnamリプレイ

War over Vientam(WOV)のチュートリアルシナリオをやってみました。これはタンホア鉄橋を攻撃する仮想シナリオでルールの学習用です。

WOVのルールを簡単に説明するとリアルタイム(x1からx10まで)で進行する方式で適時ポーズさせてコマンドを与えます。コマンドはあまり細かい指示ではありません。たとえば増速するときもノット単位で細かく指示するのではなく、クルーズからミリタリーへというように4段階しかありません(中では性能チャートに合わせて細かいノットで処理されます)。
ユニットも4機単位なのでプレイアブルです。もっともこのくらいでないと、後のシナリオでは機数も増えるのでマネージできないかもしれません。
感覚的にはコンピューターの旧ハープーンに近いと言えます。

実際のシナリオから簡単に説明します。
下記はスタート直後の米空軍のストライクパッケージ(攻撃編隊)です。
先導しているのがチャフ散布のF4Eでチャフコリドーを作っています。攻撃の本隊の周りは直衛のF4Eが両翼を固めています。また少し離れたところでCAPのF4Eが警戒します。
攻撃本隊の先にワイルドウィーゼルのF105GがSAM制圧のため先導します。
またECMを担当するEB66が飛んでいますが、横に飛行しているのに注意ください。これはECM範囲を有効に使うためです。
そして編隊後方には戦果確認の偵察のためRF4Cが続きます。またここにはありませんが、マップのさらに南に離れたところには空中給油のKC135が待機しています。
白い線はフライトパスです。

wov_start2.jpg

下はワイルドウィーゼル任務のF105Gです。F4の作ったチャフコリドーを利用してSAMに接近し、さらに右上に緑の四角い枠がありますが、ここがECM機の開けたレーダーの穴です。ここを通ることでさらに肉迫できます。
まずスタンダードで遠方から攻撃して、レーダーがオフになった隙にさらに近接してシュライクを発射します。

sead1.jpg

下記はMigとF4Eとの空中戦です。
赤いアークはスパローの射程で青が視認範囲です。

wov_start3.jpg
posted by Y.Sasaki at 16:01| Comment(0) | TrackBack(0) | HPS : War Over Vietnam | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月18日

War Over Vietnam到着!

War Over Vietnam到着しました。
アメリカからUSPSエアメールで一週間かからなかったですね。
スタンプがX15というところが泣かせます(^^

stamp.jpg

きちんとしたCDに入っていますが、プリントされたマニュアルは入っていません。(電子文書のみ)

wov2.jpg      wov3.jpg

この下の画像はいまスタートアップシナリオを開始したところです。わたしのPCのスクリーンキャプチャしたもので実寸大(?)です。クリックすると拡大します。
これは仮想シナリオで米軍を受け持っています。中心のワイルドウィーゼルのF105Gを選択したところでシュライクを装備しています。
ひとつのユニット(シルエットのアイコン)は4機を意味します。この辺もDOWNTOWNと似ています。
黄色の円はレーダー範囲、青の円は視界、赤の円は兵装の射程です。ちなみに射程はAAMの場合はROE(交戦規定)の影響を受けるという細かさです。

blog_wov1.jpg

インプレはまた少しずつ。。
posted by Y.Sasaki at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | HPS : War Over Vietnam | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月14日

War Over Vietnam注文しました

なにか良いコンピューターウォーゲームはないかと探しているとHPS SimulationsのWar Over Vietnam(WOV)が目に留まりました。
わたしはもともと飛行機関係で戦史を覚え始めたので、航空分野で興味があるものだと目を引きます。
これはベトナム航空戦を作戦レベルで再現するものです。以前"Rolling Thunder"という作戦レベルのベトナム航空戦のゲームを持っていたのですが、(というかいまでもどこかにあるはずですが ^^)それのコンピューター版というとちょっと気になります。

こちらがWOVのページです。
http://www.hpssims.com/Pages/products/ModAir/WOV/wov.html

そこで注文してみました。
HPSのサイトからは直接注文が出来ます。ただダウンロード販売をしていないので郵送料が$20かかってしまいます。
発送の知らせは届きましたので楽しみです!
posted by Y.Sasaki at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | HPS : War Over Vietnam | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Tally Ho !

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