2007年09月29日

Duel in the Dark

ヨーロッパ航空戦の夜間戦闘テーマを扱ったゲームとしてはボードゲームでもあります。
それはPilot gamesというパブリッシャーの"Duel in the Dark"です。

こちらにホームページがあります。

http://www.duelinthedark.com/news.html?&L=1

厚いボードに立体的なコマを立てるというところからお手軽ゲームかとも思いますが、内容的にはかなり要素をカバーしているようです。
RAFはメインフォースとおとりを動かし、ルートはプロットするというシステム的にはDefending the Reichに似ています。
またDefending the Reichにはない雲の要素もあるようです。実際は進入ルートの推測には地域ごとの天候も大きいので本来はDefending the Reichにも地域ごとの天候はほしかったところです。
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2007年07月16日

He219と夜戦のエース

第二次大戦では多種多様な戦闘機が設計されましたし、多種の夜間戦闘機が洋の東西で使われていますが、意外なことに夜間専用にはじめから設計された戦闘機というのはHe219"ウーフー"とTa154とブラックウイドウだけです。実際のところTa154は遅すぎたし、ブラックウイドウは活躍の場がほとんど無かったので、専用の夜間戦闘機として設計されて実戦で活躍したものはウーフーだけということになります。

he219.gif

夜戦はJu88やDo217など爆撃機改造の機体が主体でしたが、これらの機体はもともと高機動できるように設計されていないので敵の爆撃機が急な回避をした場合などに追従がむずかしいのです。そのためやはり戦闘機が必要になってきます。

たとえばウーフーの特異な外観特徴として操縦席が非常に前にあるというのは夜間戦闘機としての特徴と言えます。
双発戦闘機の場合にはBf110のように機首に機銃を集中配置するのは合理的なように思えますが、夜間の場合に発射炎で目がくらんでパイロットの夜間視力がなくなってしまいます。夜間戦闘機がレーダー手が別なのはレーダー操作に専念するためもありますが、レーダースコープのような明るいものをみると暗闇での視認能力が下がるのでパイロットはスコープを見れないということがあります。それだけ夜間視力は重要な訳です。
ウーフーではそのために機銃は胴体のポンツーンに収納して後部におき操縦席を機銃より前に配しました。しかしこのためにパイロットが脱出するときにプロペラに当たる可能性が高くなります。それを避けるためにウーフーでは世界初となった射出座席を装備した訳です。

また曲面が多いキャノピーも夜間の反射を考慮していました。ヴィルデザウに使われたBf109のようにキャノピーに平面が多いと夜間ではサーチライトの光を反射して見にくいそうです。

He219が配備されているのは最重要なルール地方前面を守るVernoのNJG1です。これは有名な夜戦のエースパイロットである、ヴェルナー・シュトライプ率いる部隊で、まるでJV44の夜戦版のような強力な部隊です。他にもシュナウファーやレントなど100機クラスの夜戦エースが所属していました。
NJG1はゲームでも一番活躍するでしょう。この部隊は敵に夜戦が含まれていても返り討ちにできるので、ゲームでもメインテナンスフェーズではこの部隊の稼働率を上げることがキーです。
DTRではエースの撃墜と昇進に関するルールがあります。

ウーフーの性能は優れたもので、DTRのゲーム中でも英の夜戦やモスキートを撃墜できるのはウーフーだけです。
とはいえウーフーも上層部の無理解やハインケルに対する政治的な冷淡な対応により十分な機体が量産されるというにはいたりませんでした。これはDTRにもR&Dのルールとして反映されています。またオプションルールとして早期配備が選択できます。ゲームバランスを取るにはいいですが、地上レーダーがまず捕らえられなければどうしようもないため、おそらく戦局をそう左右するには至らないと思います。

ウーフーの有用性をシュトライプが上奏したのにミルヒが「シュトライプならどんな機体でもそのくらいの戦果はあげられるだろう」と冷たく言い放った言葉は有名で、ハインケルに対する態度とともに端的に夜戦に対する無理解が感じられます。

昼戦隊は自軍の攻勢作戦に随伴して使えるのに対し、夜戦隊は防御にしか使えないので軽んじられがちです。特に戦術空軍的なルフトバッフェではそうした傾向があったかもしれません。
しかし自軍が劣勢になった時ににわかに育てることが出来ないものでもあります。このことから夜間戦闘部隊は国の戦略眼というものが問われる兵力であると言えるでしょう。
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2007年06月13日

リヒテンシュタインレーダーと「鹿の角」

ドイツの夜間戦闘機というとシンボルとして鹿の角のような機上レーダーのアンテナを思い浮かぶでしょう。これは「リヒテンシュタイン」というレーダーで、オーディオをやっている人ならよくご存知のドイツのテレフンケン社が開発したものです。(後期には他にベルリンやネプツーンというタイプも出てきます)
Defending The Reichの中ではR&Dで能力を向上させることが出来、迎撃時の触接チェックで有利に出来ます。

ju88.gif

アンテナはいわゆる八木アンテナで志向性があります。4本あるということは4つのフィールド(輻射域)に照射できるということです。これはAzimus(鉛直)方向に二つとHorizontal(水平)方向に二つのフィールドです。飛行機の場合は3次元的な位置を割り出さねばなりませんので、たとえば水平方向でもどちらからどちらへ移動しているという情報が必要なわけです。
2ndと呼ばれた後方監視レーダーは後ろにいるかどうかだけ分かればいいので一本のアンテナです。

映画に出てくるレーダースコープはPPIと呼ばれる2次元で地図のように位置が分かる方式ですが、当時のレーダーの主流はAスコープと呼ばれるCRTのオシロスコープのような波でエコーを表す方式です。ただし英軍は進んでいたので爆撃用のH2SにはすでにPPIを使用していました。
「ブラッカムの爆撃機」の中の宮崎さんが書いたレーダーの表示はAスコープという点では正しいのですが、実際のリヒテンシュタインのスコープはこのスコープが鉛直方向と水平方向の二つあって、それぞれ上下にエコーが描かれます。その上下のエコーのゆれで敵機の機動がわかったようです。(おそらく宮崎さんは艦載のレーダーを念頭にして書いたと思います)
さらに初期型のFug202は分解能が高いので距離専用のCRTがありました。

fug220.gif

上記はFug220(SN-2)レーダーのスコープの模式図ですが、左が水平方向の表示CRT、右が垂直方向です。グリッド(点)は2km単位です。Aスコープなので一番左の山が自機、それ以降の山が反射波、つまり敵機か何かです。左右に二つずつ波形があるということは4つのアンテナのカバレッジを示しています。
右の4kmのところにエコーがあるので垂直方向に4kmのところになにかいることを示しています。7km以降は地面の影響(いまでいうグランド・クラッター)です。
このエコーの大きさで敵機のサイズ、また上下のエコーのゆれ具合で移動方向がわかります。

リヒテンシュタインレーダーには大きく分けると二つのタイプがあります。前期のFug202(BC)と後期のFug220(SN-2)です。
(またBCの改良型のFug212(C-1)とさきにふれた2ndと言われる後方警戒レーダーもあります)

それぞれスペックは下記の通りです。

type ------ 4発重爆 --- 中型双発 --- 戦闘機 --- 最小(分解能)

Fug202 ----- 4.3Km ----- 3.0Km ----- 1.7Km ----- 150m

Fug220 ----- 8.0Km ----- 5.8Km ----- 3.2Km ----- 1000m


202は距離専用のCRTがあり一つのグリッド単位は100mですがが戦記を読むと当時のレーダー手はもっと細かく読んでいたようです。
220は距離専用のCRTはなくグリッドは2km(改良型は200m)です。

これをみると分かりますが、前期型のFug202の方が最大探知距離は短いのですが、より細かい分解能があります。後期型のFug220はより遠くまで探知できますが、最短距離とこまかい分解能は劣っています。このためFug220の初期型ではFug202を併設していました。
これはFug220のほうが波長の長いレーダー波を使ったからです。
なぜ途中で変更したかというと、イギリス軍のウインドウ(チャフ)の対策のためです。
イギリス軍は鹵獲したドイツ軍のレーダーを解析した結果、Fug202の波長に合わせた金属片を使ってチャフにしたわけです。
それで一時ルフトバッフェの防空はマヒしますが、Fug220で波長を変えたおかげで再び機上レーダーを運用することができました。

波長が長いということはアンテナが大きいということですので、おもしろいことに後からできたFug220(SN-2)の方が大きい訳です。実はこちらが「鹿の角」と呼ばれたほうです。
たいてい後にできたほうが小さいと思われがちなのでここは混同されがちです。たとえば「ブラッカムの爆撃機」の中で宮崎さんが描かれているのは大きさからしてFug220(SN-2)と思われますが、時期的にはウインドウの前なので本来は小さなFug212(C-1)が妥当であると思われます。ここは大きい方が迫力があるというマンガ的な演出とも言えはします。

ちなみにFug202での速度低下はMe110で40kmも下がったそうですが、大型のJu88では10-20Km程度に収まったようです。大型のFug220ではMe110では50Km以上の低下があったということなので、後期型の夜間戦闘機がJu88ベースにシフトしていったのはうなづけるところです。
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2007年05月15日

「シュレーゲ・ムジーク」と「斜め銃」

日本では月光が爆撃機の要撃に機体背面に斜めに背負った機関銃を使用して活躍しましたが、ドイツでも夜戦が同様な斜めに装備した銃を1943年より投入して効果をあげました。ドイツではシュレーゲ・ムジーク(Schrage Musik - aはウムラウト)と呼称されました。Defending the Reichにもシュレーゲ・ムジークを使用した攻撃では爆撃機からの防御放火は受けないという特別ルールがあります。(ただしプレーヤーに選択権はないのでフレーバー的なルールではあります)

「シュレーゲ・ムジーク」はドイツ語で「斜めの音楽」という意味ですが、Schrage(斜め)には奇妙なとか調子はずれとかいう意味があり、クラシックの国であるドイツがアメリカの音楽であるジャズを揶揄した言葉のようです。
「ブラッカムの爆撃機」ではドイツの夜戦パイロットがブラッカムのウェリントンを撃墜しようと近づくときに「ジャズを一曲聞かせてやろう」とつぶやきます。

シュレーゲムジークは機体に対して60-70度の角度で取り付けられ、照準はキャノピーの上に取り付けたRevi 16Nという電映照準器で上を向いて照準します。
ドイツ側ではシュレーゲムジークの存在を隠すためにシュレーゲムジークには通常の曳光弾を交ぜませんでした(その代わりにあまり光らない特殊な方式を使用したようです)。そのため長く秘密が守られていましたが、そのうちに機体の被弾痕の状況などから存在が知られるようになったようです。
機上レーダーは英軍によりすぐに対抗措置がとられてしまいましたが、シュレーゲムジークには最後まで有効な対抗策はなく、下方監視窓を増設したくらいのようです。


さて、前述したように日本にもこのような斜め銃がありました。ラバウルで小園少佐が考えて月光に主に取り付けられたものです。ただしドイツのシュレーゲムジークと日本の斜め銃の大きな違いは日本の斜め銃が30度で、シュレーゲムジークが60-70度という倍くらいの角度差があることです。
あまり従来はこの差についてまで議論が及びませんが、ここではその点に考察を加え、さらには当時おかれていた日独の違いについても考えて見たいと思います。

よく小園氏のアイデアがドイツにいって、という話もありますが、実のところ敵機の下から狙うために斜めに銃を設置するというアイディアは第一次大戦のころから存在していました(また日本においても日華事変においてそうした試験がされたこともあったようです)。
というのは当時の主力であるSE-5aのような機体はプロペラ同調の関係で翼の上部に機銃をすえつけていたため、そうした細工をしやすかったわけです。当時は射撃照準装置の関係でさほどの命中率が得られるわけではなかったようですが、旋回機銃は固定機銃に比べて精度が1/7程度になるという話もあるので旋回するよりは固定で角度をつけたほうが良いわけです。
WWIIのドイツでだれが発明(再発見)したかという定説はありませんが、60度という角度はTarnewitzのルフトバッフェ・テストセンターで42年にテストして定まったということですので、少なくとも日本伝来ということはないでしょう。

シュレーゲムジークのことを語る前にまず当時のドイツ夜戦の攻撃方法についてはじめねばなりません。
当時の夜戦は敵機の後方につくとまず敵機の後下方に占位しました。またレーダー誘導を受ける際にあらかじめ下方に誘導してもらうということもあったようです。
このようにいったん下がってここから上昇しながら射撃します。このドイツ夜戦の一般的な攻撃方法は、英軍機が後下方の視界や防御火力が弱いというほかに、射撃する時に下から翼やエンジンをねらわないと胴体に当てて爆弾が誘爆するのを防ぐという目的があったようです。誘爆を避けるのはドイツ夜戦が夜間のため接近して攻撃するためです。

この夜戦部隊の攻撃法は斜め銃になってもかわらなかったようです。下記にシュレーゲムジークの攻撃シークエンスがあります。

musik1.gif

戦争後期になるとレーダーが大型のSN2レーダーに移行したという影響もあり、Me110よりもJu88が次第にメインになっていくわけですが、爆撃機転用の夜戦の問題は機動力がないことです。たとえば英軍は夜戦を見つけたらまずひねってダイブして回避するというドクトリンを持っていました。防御放火は二の次です(そのためB17などとは違います)。そのため爆撃機が回避しようとしたときに追従しなければなりません、また後方からもぐりこんで上昇して射撃する時に引き起こしが重いと思われます。その点でもシュレーゲムジークなら、より深く潜りより浅い角度で上昇射撃できるわけです。


「ブラッカムの爆撃機」は非常によくできたテキストで、この辺の夜間戦闘が実によく描写されています。文中から少し引用します。

ふたつのうちの小さい方の影が、角度を変えてブラッカム機めがけて上昇していった。まるで深い雲の海から浮き上がってくる不気味なサメのようだった・・・(中略)・・コクピットの後方には斜め上向きにすえつけられたふたつの機銃の銃口が見える。ユンカースはウィンピーのやわらかい下っ腹にぐんぐん近づいていった。」(本文から引用)

おもしろいことにウエストールは上昇しつつ射撃体勢を取っていると原文で書いているのに「ブラッカムの爆撃機」の宮崎さんのイラストでは同航して射撃しようとしています。これは日本の方法と混同していると思われます。

日本の場合はB17のようなアメリカ製の防御が堅くて高速な機体を追尾しつつ距離をとって射撃するということを意識して同航射撃を意図しているわけです。そのためには浅い角度で取り付けられているほうが望ましいと思われます。
英軍機はあきらかに後下方が甘いので、接近して死角から攻撃するほうが有利です。また70度という角度は英軍爆撃機の持っている後方監視レーダーの範囲外にもなります。

つまり、
シュレーゲムジークは(軽武装の英軍機を)上昇しながら近接して射撃する、そのため60度という深い角度になっている
日本の斜銃の場合は(重武装の米軍機を)同航しながら距離をおいて射撃する、そのため30度という浅い角度になっている


ということがいえると思います。
もうひとつ言えることは斜め銃は日本には始めは下向きもあったということです。下向きは後になくなりますが、言い方を変えると使い方が定まってなく小園少佐が考えたアイディア兵器であったため試行錯誤して決めていったと考えられます。
一方でドイツは始めから60-70度の上向きしかなく使い方が明確に定まっていたと思われます。

日本の斜め銃はアイデアから生まれ、ドイツのシュレーゲムジークは必然から生まれた、と言ってもいいかもしれません。
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2007年04月25日

Defending the Reich、ファーストインプレ

Defending the Reichを買おうと思ったのはテーマ的な興味もさることながら、ゲームプレイとインターフェースの出来が良いというレビューを見たのがきっかけです。ゲームシステムだけ見ると一回のRaidを何回も繰り返すキャンペーン的なシステムになっているので時間がかかるように思えますが、実際にやってみるとたしかにプレイアビリティが高く、繰り返して手軽にキャンペーンを行なうことができます。
また一回のRaid(一ターン)ごとにわりと完結しているのでsaveをしていけば適度なペースでキャンペーンとしてゲームを進めていくことができます。最近はまとめてゲームをする時間が取れなかったので、こうしたマイペースでできるゲームは助かります。

さきに書いたようにこのゲームは非対称のシステムを採用しているのでドイツ側と英軍ではプレイはまったく異なります。
はじめはドイツ側をやって、英軍がどういう攻撃パターンをつかうか勉強するという方針でドイツ側をやりました。

順番的には一番初めに前のターンのレビューをします。
損害の判定の基準ですが、実戦を手本にすると一戦闘での英軍の損失が5%前後だと大きい方といわれます。
史実では英軍のウインドウ投入後は1.5%に下がった損失率が、対策後はまたあがり7%や11%もの場合がありました。
ゲームノートではRAFはターン毎に約40機増えるので、それを目安に50機以上の損害を与えるべきとしています。ただこれはかなりきびしいと思います。

天候の影響も大きいので天気予報のレビューも重要です。ただしForecastはあくまで予報であって、実際の天気ははじめのログを確認することが必要です。
大きいのは月齢で照度が左右されるので迎撃できるかが決まります。また着陸の難易度が決まります。これはかなり重要です。
DTRでは全域で一律の天気ですが、史実では天気予報で襲来地域を予想していたりするので、天候は地域ごとにあったほうがよいと思います。

下記はキャンペーン終了後のステータスです。
途中で英軍に押されてしまいますが、こつが分かってきて後半に盛り返してきてなんとかドローに持ち込んだというところです。
オプションはすべてヒストリカルで行っていますが、部隊の異なった機種編成はヒストリカルでないほう(ひとつの基地は全て同じ機種)が運用は楽です。
また月齢の満月に近いときが英軍の損失があがるというところに注目してください。
dtr4.jpg


R&Dフェーズではどの分野に投資するかを決定します。2分野までの制限がありますが、実際にHe219の効果は高いのですが、まず地上レーダーで早期に探知することがリアクション時間が長く取れて損害を与えられるので地上レーダーは必須です。またドクトリン(迎撃戦術)と機上レーダーは同じくらい重要なのでどちらかに割り振ります。
どちらかというとドクトリンが上かも知れません。

管理フェーズでは消耗が多くて使わないことに決めたユニットはTrainingかRestにしておきます。これはプレイアビリティの上で重要です。特に英軍では重要で、はじめは英軍のスコードロンの数が多いのでこれをすべて指示するかと思うとげっそりとしますが、結局のところ管理フェーズで使わないと決めた部隊以外はすべて使うので、考えるのはそれほど大変ではありません。

実行フェーズではリアルタイムで進行して、英軍の空襲部隊を探知すると盤上に未確認ユニットとして現れます。
だいたい4波くらいで、そのうちのひとつはMain Forceで数百機の重爆撃機です。他はおとりでモスキートを使います。
ただMain Forceにもモスキートを随伴させていることがあるのでモスキートがいたからといってメインフォースでないとは言えませんし、ゲームが進むとボーファイターの様な夜戦も随伴してきます。
DTRの肝はどれがメインフォースか、を見極めるということです。これは立場を逆にして英軍で言うと、どれがメインフォースか見極められないようにする、ということが重要な訳です。
メインフォースは1ターンにひとつしか使えないので、どれがメインフォースか分かったらあとは総攻撃になります。

だいたい(ベルリンを含む)東部か、西部(ルール)に大きく攻勢の志向がわかれるので、部隊の半分は休むことができます。
こちらの最強部隊はルール前面のVernoのNJG1でHe219と有名なヴェルナーシュトライプの率いる精鋭のエースたちを多数含みます。
下記のようにウーフーの重武装タイプのHe219A-7が配備されています。
dtr3.jpg


考えねばならないのはいったん出撃したら交戦がなくともかならず損害をこうむるということです。つまり着陸時に喪失があります。とくにヴィルデ・ザウは昼間戦闘機なのでいったん離陸したら必ずかなり損失を受けます。
これは天気で大きく左右されますが、かといって天気が悪いから爆撃効率も悪いだろうとまったく迎撃しないと判定はRAFの有利になるようです。

ゲームの前半はこちらのペースでいけますが、後半になるとかなり英軍の電波妨害能力が高くなってきて、内陸に入ってからでないと探知されないことが多くなります。
そうすると対応が遅れて結局損害を与えられません。

また、長期的にはなるべくローテーションを考えて休ませたり、trainingにいれたりしておいたほうがよいでしょう。

実際やって見て思ったのは、ヴィルデ・ザウが使いづらいということです。途上で迎撃できないので、ピンポイントで目標を読まねばならない。また双発夜戦に比べて着陸の損害が大きいので一回使った後の損害回復が必要です。

下記の図はヴィルデ・ザウの待機場所(黄色円)を外してしまったところです。メインフォースは予想進路の直前で航路変更してしまいました。これは英軍は途中では変えられないのでフェイクをあらかじめ入れていた、ということです。
dtr2.jpg

ほぼベルリンとか単独に近い主要目標や、ルール地方とか目標が密集していると(ある程度はZOCのような対応範囲はある)読みやすいのでテンペルホフなどに駐機しておくことになります。

しかし夜間戦闘関係の戦史を読んでいるとウインドウ(チャフ)の投入後の後半はかなりヴィルデ・ザウが活躍したようにかかれますが、こうしてやってみるとヴィルデ・ザウは数は少ないし、運用も制限があるのでやはり従来夜戦が主力ということが分かります。
そうしてみると実際に議論された、昼戦を流用すれば夜戦のような特殊な兵科は不要じゃないかという理屈にはいたらないことになりますね。
こうして戦記のように断片的ではなく包括的に戦いの様相を眺められるというのがシミュレーションゲームの良いところだと思います。
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2007年04月04日

夜空の戦いとDefending the Reich

ヨーロッパの空の戦いというと空を埋め尽くすB-17とそれを迎撃するメッサーやフォッケといった絵が思い浮かびます。
B-17を戦力の中核とするUSAAFはその強力な防御放火を生かすためタイトなボックスフォーメーションを組んで昼間の精密爆撃を志向していました。
しかし、英空軍は昼間での大きな損害を避けて早々と夜間の爆撃に切り替えました。そして帝国の夜の防空を担ったのは双発の夜間戦闘機でした。

互いに相手が見えない漆黒の闇の中で彼らは電子の目を使って戦いました。
一見地味に見えるWWIIの夜間戦闘ですが、現代ではかかせない電子戦はこのWWIIの夜間爆撃の邀撃戦闘から始まったといえる点で重要です。
また、ゲームとしても読みとだましあいといった要素があって面白いといえます。

Lancaster.png
Me110_SM.png

HPSの昨年の作品であるDefending the Reichはこうした第三帝国上空の夜間戦闘を扱っている作戦レベルのコンピューターゲームです。Decisive Actionのランスフォード大尉のデザインになります。実際にイベントログなどDecisive Actionと似たシステムも見られます。
ターンは一週間で1943年8月から1944年6月まで行ないます。なぜ1944年6月で終わるかというと、この月はノルマンディー上陸作戦が行なわれた月で、この後はRAFが地上支援に忙しくなったということと、地上からレーダー施設が破壊されていくのでほぼ夜間の戦いは決着がついたといえます。またはじまりが、1943年8月というのはウインドウ(チャフ)の投入によるハンブルグ爆撃が1943年7月なのでそれ以後ということになると思います。レーダーを妨害するウインドウの投入が大きく夜戦を変えたので(ウインドウ自体はルール化されていませんが、ECMに統一されています)それが境になっているわけです。
ちなみに宮崎駿のイラストでも知られる「ブラッカムの爆撃機」は1943年の前半と思われますので、残念ながらこのゲームではウィンピーはあまり活躍の場がありません。

ゲームは一週間1ターンとして、1ターンに立案フェーズと実行フェーズが行なわれます。また管理フェーズで兵站を実行します。おもしろいのはRAFとルフトヴァッフェのプレーヤーが非対称になっていることです。
RAFプレーヤーは立案フェーズに詳細に空襲計画を作成しますが、実行フェーズにはやることがありません。見ているだけです(ミッションの中止もできません)。
ルフトヴァッフェプレーヤーは立案フェーズにはやることがありませんが、実行フェーズにはセミリアルタイムで進む戦況に応じて指揮下のユニットを迎撃命令を随時下します。

ルフトヴァッフェプレーヤーはRAF空襲部隊が見つかれば迎撃しますが、システムはブラインドであってなかなか見つかりません。夜だからです。
ウォーゲーマーが陥り安い錯誤のひとつは自分が神の目を持っているために指揮官や兵士の視点になかなかたてないということです。たとえば高級指揮レベルではC3Iの問題から、戦術的には戦車からの視界などもよく例に挙げられます。
この夜間航空戦の世界も例外ではありません。

rader.jpg

夜間はまったく爆撃機が視認できなくなるので、レーダーに頼ることになります。作戦レベルで指揮官が部隊を指示するのもレーダーですし、パイロットが敵爆撃機を見つけるのも基本的には機上レーダーです。
ドイツはカムフーバーラインと呼ばれたレーダー防空網を整備してRAFの空襲に備えましたが、全般的に電子戦技術はイギリスのほうが一レベル以上常に上回っていました。

初期の夜間戦闘は探照灯による照射が主でしたが、レーダーが整備されると地上レーダーによる誘導がはじまります。大体の位置まで誘導されると夜戦のレーダー手は機上レーダーで敵機を探します("エーミール・エーミール"とコールする)。照度にもよりますが、最終的に数百メーター程度に近づくとパイロットが視認可能になり攻撃開始します("パウケ・パウケ"とコールする)。
ただしこのころの地上レーダーは問題が多く、特に誘導する際にひとつのレーダーで敵一機、友軍一機しか把握できないというのが問題でした。これに対して英軍はストリームとよばれる戦術をとります。
それはいずれにせよ夜間はフォーメーションが組めないので、単機ずつ長いストリームになって進入します。そのため全体の規模がわかりにくく誘導しにくいことになります。このストリーム(爆撃機の存在範囲)は横20マイルで長さは150マイルにも及ぶといいます。このため英軍の空襲部隊はボマーストリームとも呼ばれます。

こうして1943年前半までにお互いの邀撃戦術・侵攻戦術は一度完成するのですが、英軍が捕獲したドイツ夜戦を調査して1943年7月のハンブルグ爆撃でウインドウと呼ばれる電波妨害片(いわゆるチャフ)を実用化させたため、一時期ドイツの防空は混乱します。ウインドウで主に影響をこうむったのは機上レーダーです。そしてその直後に対抗策として出てきたのが、ヴィルデ・ザウ(突進するイノシシ)と呼ばれる戦術です。
これはそれまで主力だったレーダー装備の双発戦闘機ではなく、普通のMe109やFW190を夜間に使うという方法です。これはどうするかというと、戦域指揮官がルートから攻撃目標を読んで昼間戦闘機をその目標上空に待機させます。すると目標は燃え上がる地上の炎で明るくなり、上空からだと敵機が浮かび上がります。それに近接して攻撃をかけます。普通の昼間戦闘より近接したので突進するイノシシというあだ名がつきました。ヴィルデ・ザウはDefending the Reichでは特別なユニットとして扱われ運用には注意が必要です。
なお、このときいままでより詳細に邀撃指示をしたので、邀撃指示方法はより進化しました。それをようやくウインドウに対抗できるようになったレーダー装備の双発戦闘機にも適用したのをツァーメ・ザウ(訓練されたイノシシ)といいます。ただし基本はいままでと同じなのでDefending the Reichではドクトリンの向上としてR&Dで抽象化されています。ツァーメ・ザウのルールはありません。
(その後もECMとECCMのいたちごっこは続き、Defending the ReichではR&Dルールであらわされます)

こうしてDefending the Reichの開始ターンである1943年8月がはじまります。
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2007年03月25日

パウケ!パウケ!

Defending the ReichはHPSのゲームでWWIIの第三帝国上空の夜間戦闘をテーマにしています。軽くやってみましたが、これもなかなか面白いゲームです。
特に空襲をプランするRAFと防空戦闘をするルフトヴァッフェのプレーヤーが非対称のシステムになっているところが興味深いところです。

dtr1.jpg

画像はルフトヴァッフェの視点のものですが、ブラインドなので探知はレーダーに探知されたものだけ見えます。RAFのラウンデールのマークが探知されたRAFのボマーストリームです。(*RAFの夜間ドクトリンは昼間のUSAAFのような編隊ではなくストリームですが、これは後で解説します)

しかしどれが本隊かは分かりません。ここではBf110G-4(110の夜戦型)が攻撃を開始したところです。このときボイスで"Pauke!Pauke!"と突撃コールがあって、左上に小さいビデオが移って戦闘シーンの雰囲気を盛り上げます。
デザインしたLunsfordがビア&プレッツェルのゲームを目指したというだけあってわりとさくさく進みます。
しかしウーフーはさすがに強力だ..(He219の早期配備もルール化されています)
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Tally Ho !

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